社員食堂での皿洗い時代。(16歳)将来、お店を持ちたいと思うようになる。

社員食堂での皿洗い時代。(16歳)将来、お店を持ちたいと思うようになる。

大手社員食堂での初めての就職です。
1年目です。右にいるのがはじめての後輩。左にいるのが先輩です。
とにかく働かなくてはと、大手メーカーの社員食堂で朝から晩まで400人分の皿洗い。
辛くてしかたありませんでした。
しかし、それがあるきっかけで楽しくなりました。

月給は、当時9000円でした。
その9000円のうち、5000円を毎月貯金していました。
残った4000円の中から2000円を父親に仕送りして、残り2000円で生活していました。

後になっていろいろな物を整理していたら、当時の父親からの手紙が出てきました。
「もうお金を送ってこなくていい」という手紙でした。
あの頃はまだ15~16歳ですから、お金の使い道が分かりません。
映画を見に行くぐらいでしたから、2000円の生活費でもお金が余ったぐらいでした。

ただ、あの頃から、どうも私はお金を貯める癖があったようです。
子供の頃、5円の小遣いをもらった時も、5円玉の穴に針金を通してたくさん貯めたこともありますし、預金をする癖があります。
もしかしたら、両親が頑張って働いて家を建てた時の影響を、何らかの形で受けているのかも知れません。

皿洗いでは、毎日だいたい400人前の皿を1人で洗っていました。それは辛くてしょうがありませんでした。
その時に、腕時計を外して1分間に何枚洗えるか挑戦したのです。
毎日毎日、洗った枚数を数えると、昨日よりも1枚多く洗えた、2枚多く洗えたと、速くなるわけです。
時計の秒針を見て意識しながらやると、それだけで速くなるんですね。
すると、辛い皿洗いが辛くなくなりました。ゲームに変わっていったわけです。
時計を置くか、当時の流行歌を歌いながら皿を洗うと辛くないんですね。
そのように自分で工夫しました。

皿洗いからコックさんもしばらくやっていた私は、アメリカ人の成功者の本など、色々な本を読んでいるうちに、
将来は自分でお店を持って、会社を持って、経営者になりたいと思うようになりました。
しかし、たとえ給料が上がったとしても、当時は月収2万円くらいです。
どう計算しても、どうひっくり返ってもお店など持てるわけがありません。
実家も貧乏ですから、そういった面での協力はあり得ないことでした。

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