「問題から答えにたどり着く」ではなく、「答えから問題に向かっていく」

〝問題から答えにたどり着く〟では、もう、ほとんど答えにたどり着いた人はいないといってもいいです。

尖った山があるとして、その山の頂上が「答え」だとします。あなたは山の麓=下界に立っています。その麓の世界にはいろいろな出来事や問題が起きるわけで、そこから山の頂上に向かっていく…

問題を解決する「答え」が頂上にあるからですが、ほとんどの人がその「答え」にたどり着くことなく死んでいきます。

あの釈迦やキリストですら、「答え」にたどり着いたとは聞いたことがありません。私が伝えているのは、そうではなく、頂上=「答え」から麓に向かっていくということです。
少し前にこんなことがありました。私のところに悪性リンパ腫、いわゆる血液のガンに侵されて余命3カ月と宣告された男性が相談に来られました。

男性は「もう生きるのに絶望した」と言うのです。離婚して子供とも別れ、親とも断絶して、ガンにもなって、もう最悪だと……。

よくよく話しを聞くと、彼が離婚した原因は、彼の親が持っていた土地に家を建ててそこに奥さんと子供と住んでいたけれども、お父さんが何か騙されて、土地ごと全部持っていかれてしまい、奥さんと子ども共々家を出されて路頭に迷うことになってしまったと…

すると今度は奥さんの親が烈火のごとく「話が違う!」と怒り、両方の親とグチャグチャになって、当然、奥さんともうまくいかなくなって離婚したという。

さらに子供の養育費を少し払っていたけれども、奥さんが「お金はもういらない、アンタと縁を持ちたくない」と言い出し、子供のためと思ってやっていたことも切られ、そのうえ仕事もうまくいかなくなり、そしてガンになってしまったと…

もう絶望だと、そう彼は話してくれました。彼からすれば、もう問題だらけというわけです。

しかし、私はそれを聞きながら、答えが先=別の言い方をすると「満月を前提にする」ということで聞いて、そして彼に「あなたはすごい恵まれているじゃないですか!」と話しました。「最高の環境じゃないですか!」と。最高の環境=愛だけの環境という「前提」です。

そのとき彼は「どうして?」となりまして(笑)。

そこで彼に「あなたの周りは素晴らしい人ばかりですよ」と、続けて「素晴らしいお父さんですね。息子のあなたに土地を提供してくれて…たまたま騙されて土地を持っていかれて…

人間ですから間違うこともあるし騙されることもありますよ、お父さんは人がよくてたまたま騙されたんでしょう、でも、それまであなた方が家族でその家に住めたんですよ!」「奥さんの親もいい親ですよね。自分のかわいい娘や孫が、いきなり路頭に迷ったら怒るのは当たり前ですよ。子供や孫を愛しているから怒るんですよ。親として当然というか、すごい愛情ですよ!」「奥さんも本当にいい嫁さんじゃないですか。もう離婚したらしいけれど、普通、離婚したらもっとお金をくれって言うでしょう?でもお金はいらないって言っている…

あなたの病気のことを知ってか知らずか、そのお金はあなたの治療費に当てられるじゃないですか」「何よりもあなたはすごくいい人間ですよ。お金を送るなって言われて、それで落ち込んでいるんですから。普通なら喜ぶところですよ。あなたは本当に優しい人なんですね、子供思いですね」「ですから、何の問題もないですよ、あなたの環境は。いい人たちばかりですよ」……と。

これが満月からの捉え方というか、満月という前提…「答え」から問題に向かうという例です。こういう発想…捉え方だとそのような言葉が後からどんどん出てくるのです。相手の真っ暗闇の言葉は全然受けません。満月という前提、みんな素晴らしい・みんな愛の人という前提だからです。

彼は今まで彼の考え方で生きてきて、ガンになってしまったわけです。ですから、自分のその考え方でこれからも生きるのか、それとも私の話したような考え方を受け入れて、つまり満月・答えから問題に向かう生き方でここから出発するのか…全然違いますよね。

そして彼は、それから半年後くらいに私を訪ねてきました。

その続きは、明日、お伝えさせていただきます。

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

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