月別アーカイブ: 2016年3月

腐った根性を叩き直せ!


こんにちは、佐藤康行です。

私のマンツーマン指導が始まって三日目に入り、今までこれほど営業で歩きまわった経験のない二人は、心身ともにすっかり疲れきっていた。

今日も同じことの繰り返しで、絶対に目標を達成するまで帰ることができない。

しかも二十四時間監視付きだから、ごまかすこともサボることもできない。彼らのストレスは限界点に達していたことだろう。

二日間は彼らなりに何とか我慢してやってきていたのだが、この日は朝から明らかに態度が反抗的だった。特に上村にいたっては、私が指示を出しても首をわずかに縦に振るだけで、返事が返ってこなくなった。しかし、私は敢えてそれ以上何も言わなかった。

二人とも明らかに疲れが顔に滲み出ていて、飛び込み訪問をしても全く笑顔ができていなかった。ただノルマである訪問件数をこなしているという状態になっていた。

それでは、契約など取れるはずもない。

一時間ほど飛び込みをさせた後、私は二人を公園のベンチに座らせて注意を与えた。

「いつの間にか笑顔がなくなっているじゃないか!どんなに疲れていてもお客さんの前に出たら必ず笑顔で行かなきゃ。それがプロというものなんだ。さあ、もう一回笑顔の練習をしてから行くぞ!」

笑顔の練習が終わると、再び飛び込みを開始した。しかし、またあっと言う間に笑顔がなくなってきた。(この連中は本当にやる気があるのだろうか…?)上村が飄々とした表情で家を出てきた瞬間、私は彼にはっぱをかけた。

「ほらっ、笑顔がなくなってるぞ。もっとニコッとして!そんなイヤそうな顔をしてたら、誰も相手にしてくれないぞ!」

上村は私の忠告を聞こえなかったかのようにそっぽを向いていた。それからは改善されるどころか、ますますふてくされたような顔になっていった。いよいよ私も我慢ができなくなり、遂には怒鳴りつけた。

「おい!お前はオレの言っていることをわざと無視しているのか?オレの言う通りにやると約束したんじゃなかったのか?一体どういうつもりなんだ!」

それでも上村は何も答えず、黙って睨みつけるだけだった。

「いいか、今度オレの言った通りにやらなかったら、お前たちはクビだぞ。いいな!」私はそう言うとまた歩き始めた。その時である。ヒュッと一筋の風を背中に感じた。

後ろを振り向くと、上村は何事もなかったかのように涼しげな顔で歩いている。不思議に思いながらもまた前を向いて歩き始めると、再び背中に風を感じた。

今度は明らかに音まで聞こえた。再度後ろを振り返ると、上村は相変わらず涼しげな顔をしていたが、中本の方が少しこわばったような表情になっていた。

その時私は、上村が私に当たらない程度に蹴りを入れていたことを察した。(この野郎、オレにケンカを売っているのか?こいつはちょっとやそっとのやり方では変わらないな…。これはよほど根本的に叩き直さないとダメかも知れない…)そう思った私は、この時から方針を大きく変えることにした。

まず、その夜からは、食事を二人に作らせることにした。二人とも独身であまり料理などは作らない様子で、これにはかなり抵抗していたが、自分たちで作らない限り、いつまでも食事にありつけないとあって、渋々作り始めた。一時間以上経ってようやく料理が完成した。

「ごくろうさん。それじゃあ、上村、オレにもご飯を盛ってくれ」

私は、これから当分、この二人にどんどん私用を言いつけることにしたのだ。

上村は、今まで以上に鋭い目つきで私を睨み返してきた。料理を作るのは自分たちのためでもあるから何とかできたが、私に私用を言いつけられるのだけは耐えられないようだった。彼はあぐらをかいたまま一切動こうとはしなかった。

「早く盛ってくれよ」

「いやだ」

「早く盛れ!オレに食事を盛らなかったら、お前たちもいつまでも食べられないんだぞ」

「…」

私たちは睨み合ったまま完全に我慢比べになった。睨み合ったまま時間だけが過ぎていった。時計の針はいつの間にか夜の十時を回っていた。

「クソッ!」上村は我慢の限界を超えたらしく、ようやく立ち上がるとヤケクソになって料理を盛りつけ始めた。味噌汁がお椀からこぼれた。もうすっかり冷めてしまった焦げ過ぎの肉野菜炒めも、無造作に盛りつけられた。食事の間、誰も一言も話さなかった。

しかし、私はその後も徹底して私用を言いつけた。先輩後輩のけじめもなく、礼儀も知らず、人に気を使うということの一切ない人間には、そこから徹底して鍛え直すしかないのだ。

夜になると布団を敷くように言いつけた。上村はブツブツと小声で文句を言いながらも仕方なく布団を敷き始めたが、わざと斜めに敷いたり、私の布団だけを極端に隅に敷いたりした。中本も上村の指示に従って動いていた。

「こら!ちゃんと敷け!」

私が怒鳴りつけても、ほんの少しだけしか直そうとはしなかった。私も絶対に妥協せず、何回でも敷き直させた。全てが我慢比べだった。

上村は私が横を向いている間に、布団を蹴飛ばしたり、わざと聞こえるように「チェッ!」と舌を鳴らしたりしていた。

私が部屋を出るなり、「冗談じゃねえよ。やってられねえよなあ!」という声が聞こえてきた。

私の腹の中も煮えくり返っていたが、とにかく彼らには一つずつやらせるしかないと自分に言い聞かせ、ぐっと気持ちを抑えた。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

明日も20時に更新いたしますので、ブログをお楽しみに!

いつもブログをご覧いただきありがとうございます。

毎日、皆さまに下記のバナーを押していただくことで、世の中に本当に大きな影響を与えています。本当にありがとうございます!

下記の2つのバナーをクリックしてランキングにご協力ください!
にほんブログ村 その他生活ブログ マネー(お金)へ