営業を好きになる前に人を好きになれ

◎ノートにお客さんの良い所を書き出し、好きになってから訪問する。
営業は人に会う仕事なのだから、人が嫌いでは営業を好きになれるわけがありません。
逆に言えば、人を好きになれたら、営業もそれだけで楽しくなるはずです。

だから、営業を好きになるためには、人を好きになることが一番なのです。
人を好きになるためには、これから訪問するお客さんを思い出し、嬉しかった出来事をノートに書き出してみることです。
お世話になったこと、お茶を出してもらったこと、思いやりのある言葉を投げかけてくれたことなど、お客さんにしてもらったことを一つ一つ書いていくのです。
例え、何もしてくれなかったとしても、時には嫌味を言われたとしても、
ほとんどの人は会ってさえくれないのに、その人は会ってくれているのだから、会ってくれたことに感謝できるはずです。
さらには、前回会った時には冷たかったとしても、その人の暖かい面を想像することはできるのです。
会社では冷徹だった課長さんも、家に帰れば、子どもを抱っこして目尻を下げる優しいお父さんなんだろうな…とホットな面を思い浮かべるのです。
表では近寄り難い地位の高い人でも、肩書きを取って人間性だけを見てみる。

そして、その人の長所だけをたくさん探してみるのです。
訪問する前に、十分間ほどノートに書き込んでから訪問するといい。
そうすると、その時にはもう自分の顔は変わっているはずです。
自ずと出てくる言葉も変わってくる。
当然そのことによって、相手の反応は間違いなく変わるでしょう。
自分が変わると、相手は変わらざるを得ないのです。

例えば、街角で人とぶつかった時に、こちらが「この野郎!」と言ったら、相手も「なにいー!」と言う気持ちが出てくるでしょう。
しかし、こちらが「ごめんなさい」と言って頭を下げたら、相手も「こちらこそ…」というように反応が変わるのです。
だから、自分が変わると相手も変わらざるを得ないのです。
私が小学生の頃、母が一羽の小汚い鶏をもらってきたことがありました。
私はその鶏をとても可愛がり、毎日とうもろこしや貝殻を食べさせてあげました。
そうしたら、いつの間にか羽が真っ白になって、卵をじゃんじゃん産むようになった。
学校から帰って来る時には、私が遠くから「トートットットット…」と呼ぶと、
その鶏は遠くからパタパタ…と喜んで羽を振って駆けて来て、まるで犬のように足元に擦り寄ってきたのです。
しまいには、少しづつ会話まで通じるようになりました。
鶏だって愛情を持って接していればこんなにまでなるのです。
ましてや相手は人間なのだから、ちゃんと愛情を持ってぶつかっていれば、変わらないわけはないのです。
犬だって、「ワンワン!」と吠えると蹴っ飛ばしたくなるけれど、尻尾を振って近寄ってきたら、蹴っ飛ばそうとする人などまずいないでしょう。

営業パーソンも、ニコッー!と今まで見たことのないような満面の笑顔をして、「あなたが大好きです!」という思いで入って行ったら、嫌な思いをする人はいないのです。
あなたが「こんにちは!」と入って行った時に、お客さんが受ける第一印象は、あなたの顔の印象なのだから、
入る前にお客さんを大好きになる下準備をすることがとても大切なのです。
そうすれば、お客さんもあなたのことを好きになってくれるから、
お客さんに会いに行くのが楽しくなり、営業そのものが好きになってくるはずです。

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