私は営業を始めたての若い頃、営業がうまくいかず、悔しくて泣きながら町を歩いたこともありました。
靴には穴が開き、ズボンはボロボロになり、悲しい思い出もいっぱいありました。
でもそのお陰でいろいろなことを考えられて、今、多くの人を『真我』に導くことができるようになりました。
まさにあの経験は財産です。
もしそういった経験に対し、ある時点で妥協して「ま、いいや」となってそれ以上行かなかったとしたら、今の私はないのです。
私はこれを一つ一つ破っていきました。
あの時は確かに私も壁だらけでした。八方塞りだったのです。
一人でいても「わーっ」と声をあげたくなって、「何で俺はこんなにあちこちに縛られているんだ」っていつも思っていました。
でもそうやって、もっと自分が自由になりたいという強い気持ちを持って一歩一歩踏み込んでいくうちにどんどん壁が無くなってきました。
簡単にいうと、私は一年生からあがってきたのです。最初から天才的ではなかったのです。
だから、いろいろな人の立場で見られるのです。
ということは、逆から言うと、今あなたが能力がなければないほどそれだけの幅になる可能性を秘めています。
球技だったらボールを相手にするけれど、営業はあらゆるいろいろな人生経験の人と対峙していかなければいけません。
だから、ただ技術力があるだけではなく、絶対的に人生経験が豊かな方が良いわけなのです。
あらゆる人に対応できるようになろう。
相手が苦しそうだったら一緒に苦しい顔になれます。
笑っていたら一緒に笑える。
どんな人にも自由自在になれる。
それは営業の大変な武器になるのです。
私もあなたと同じでした。
何か困難にぶち当たると極度に落ち込んだ時期もありました。地獄のような苦しみも味わいました。
ですから、もともと、頭でしっかりと理論武装して、『気にしない』という性質ではなく、そういう意味ではむしろ、何かあると落ち込む性質でした。
しかし、ある『真実』がみえたことによって、変われたのです。
●見本の一日
あなたが苦境の中から見事立ち上がって、感動的な成功を掴み取ったとしたらどうでしょうか。
それは、とても面白いドラマになります。
それを、映画や本にするとしたらどうでしょうか。
逆境があった方がドラマは面白いのです。
ということは、「ドラマを面白くさせるためにあなたに厳しさを与えられているのだ」となります。
私の商談を邪魔された自動車の営業マンに逆に私が宝石を販売した、という話をしました。
あの時は、その日初めて会った自動車の営業マンに、馬の骨とか石ころとかめちゃくちゃに言われた挙句、
商談を邪魔されたけれど、なんとその日のうちに逆に私の宝石をその自動車の営業マンに買っていただきました。
それはドラマになるわけです。
このたった1日の出来事を私は『見本の一日』と呼び、今でも講演で話したり、こうして書いたりしています。
私が講演でこの話をしたら、そこだけを絞った録音テープを誰かがあちこちでダビングして配り始めました。
それが出回って、今でもそのテープを聞いて感動した、と問合せの連絡があるくらいです。
私のたった一日の経験が、その後長年に渡っていろんな人を勇気付けています。
ということは、あの時の自動車の営業マンにめちゃくちゃに言われたお陰なのです。
それが『真実』なのです。