木で出来た人形が壊れたら…木で直します。
粘土で出来た人形が壊れたら…同じ材料、素材でつまり粘土で修繕します。
では、人間が壊れたら何で直すのでしょうか?
人間はいったい何で出来ているのでしょうか?
「肉」・「骨」・「皮」…「細胞」「遺伝子…」「原子・素粒子だ」「いやもっと突き詰めたら最後は振動体だ波動だ…」云々
全部正解です。
しかし、これらはどれも物理的な見方に過ぎません。
私は「人間は“記憶”で出来ている」と捉えています。
私たちは「オギャア」と生まれた時、すでにおじいちゃん、おばあちゃんに顔が似ていたり、
性格が似ていたり、同じような病気になる可能性を秘めて生まれてきます。
つまりそれは、先祖からの記憶を遺伝子によって引き継いでいる、という事です。
まさに、この顔かたちは遺伝子の記憶そのものなのです。
そして魂の世界では前世の記憶もあきらかに現在の自分に影響を与えているのです。
このように我々人間は「遺伝子」と「前世」からの“記憶”が折り重なって生まれてきます。
そして、親からの育てられ方、兄弟姉妹、学校の先生、友達、社会に出てからの人間関係、
その影響、様々な体験、経験を重ねて、嬉しかった事、悲しかった事、楽しかった事、だまされた事、褒められた事、辛かった事、痛かった事…
いろんな“記憶”が、頭では忘れているように見えても、実は体に、細胞にぎっしりと刻み込まれているのです。
これを“心の三層構造”の真ん中の部分、『業』とか『カルマ』と言われる部分です。
『細胞の記憶』『遺伝子の記憶』と言ってもいい。
この心が、ふだんは忘れていても、私たちの外界(目に見える世界)に、
その記憶が刻み込まれた時と似たような状況が現れるという刺激、縁によって、ふと頭に湧き上がってくるのです。
先の、ふと湧きあがってくる“すでに思っている心”は、まさにこの業、カルマといった過去の“記憶” から来るのです。
こちらの心の方が、頭の心より格段に強いわけだから、マイナスの記憶が多ければ、
当然、そのマイナスの業、カルマに支配された心がマイナスの結果の原因となります。
例えば、過去に人前で話をして失敗して大恥をかいた記憶が刻まれると、スピーチを頼まれる度にその苦い記憶が蘇ります。
女性が若い頃に強姦でもされたら、一生涯性的に不能になってしまう場合もあります。
心理学では、心的外傷、トラウマという部分です。
つまり、ここに手を付けなければ、根本解決にならないと言う事なのです。