運命を好転させた一言2014/01/15

以前、愛媛県で講演を行った時、
その会場の一番後ろに、車イスに座りながら熱心に話を聞いている一人の青年がいました。
私はその青年と、十分ほど話をし、東京に帰って来ました。
そして、数日後その青年から、一通の手紙をいただきました。
「ありがとうございました」手紙の冒頭にこう書かれていました。
以下内容をご紹介します。

私は大人になってから、交通事故で車椅子生活になりました。
「残りの人生はずっと車椅子ですよ」、と医者からいわれたときに目の前が真っ暗になりました。
なんで自分だけがと自分の人生をのろいました。
そして何回も自殺を考えました。
何度死のうと思ったかわかりません。
これから一生車椅子の生活と思ったら絶望しました。
私にはいろいろやりたいことがあったからです。
でも、それらの希望はすべて霧のように消えていきました。
いろいろな方が声をかけてくれるけど、一つの励みにもなりませんでした。
かえって私を馬鹿にしているのではないかと思ったこともあります。

でも、あの講演会で佐藤さんは私のところに寄ってきて、車椅子のかっこうの私を指さし突然こういわれました。
『あなたは素晴らしい財産を持っているじゃないか。』その時私はびっくりしました。
何が財産だと思いました。
あなたがその車椅子のかっこうは財産だよ、と佐藤さんは確かにいわれました。
『そうじゃないか。この会場に300人いるけど、あなたと同じかっこうの人は一人もいないじゃないか。
しかし、世の中にはあなたと同じかっこうをしている人がたくさんいるんだよ。
あなたが今、私の話を聞いて物事をプラスにとらえる発想をしたならば、今、この瞬間からその車イスのかっこうが財産に変わるのだよ。

なぜなら、世の中で天才といわれている人は、あまりいろいろなことをしないからです。
王貞治さんは野球のボールをただ遠くへ飛ばすことだけを何十年も考えて実行してあれだけ世界的に有名なバッターになったのです。
そのかわり政治や経済のことを何も知らなかったかもしれません。
しかし野球のことだけを考え続けていたからこそ、世界の王といわれる人物になったのです。

ホーキング博士を見なさい。
体が不自由だからあれほどの大科学者になったのかもしれないでしょう。
健康であるために、いろいろやりすぎて中途半端な人生を送っている人もいるのです。

あなたもこの車椅子のかっこうを逆にチャンスと思って、一つのことに専念することを探しなさい。
徹底的にそれに専念して、それに生涯をかけなさい。
そうすれば、あなたはだれにも負けない天才になれる。
健康な人が絶対味わうことのできない深い人生を、味わうことができるのです』

佐藤さんがこうおっしゃったとき、私はまさかこの体が財産などとは思いませんでした。
驚きましたし、びっくりしました。
私はそれ以来毎日、佐藤さんの言葉を考えていました。
私は佐藤さんがおっしゃったこの車椅子の体を生かして、私は絶対に天才になります」私はこの青年の手紙を見て、大変感動しました。
私のたった一言で、ここまで前向きな考え方に変わったのです。

この手紙が来てから三年の歳月が過ぎたころ、この青年からまた手紙が届きました。
これがその文面です。明日、その手紙をお伝えいたします。

このページの先頭へ