営業初心者時代~飛び込み営業 -【03】2014/12/29

経営者になるためにセールスの世界へ専務にそう言われた私は、話に出たシーボン化粧品へ面接に行きました。
すると、即採用してもらいました。

今はどうか分かりませんが、その会社の営業は、1件1件全部飛び込みなのです。
「美容に関するアンケートを取ります」と言って、パンフレットを持って訪問していくのですが、
この会社でも誰も販売の仕方を教えてくれませんでした。
飛び込もうと玄関まで行ったら、自分に言い訳をつけるわけです。
「どうもあっちの方が売れそうだな」などと……。
本当は、そんな理由など何もありません。
勇気がないだけでした。

また別の家の玄関まで行って、呼び出しボタンを押そうとすると、また「あっちの方がよさそうだな」という気持ちが出てきます。
「あっちの方がよさそう、あっちの方がよさそう」と言い訳ばかりを繰り返し、1件も訪問できませんでした。
2日目は呼び出しボタンをピンポンと押して、ゴトゴトッと人の気配がしたら逃げていきました。
何回も逃げてばかりで、3日目も駄目でした。
自分でも、なんて情けないんだと思いました。

当時、私は定時制の高校に行きながらやっていたのです。
高校では、人前で話せと言われても全然話せませんでした。
真っ赤な顔になり、恥をかいたこともあります。
好きな彼女に「声かけよう、声かけよう」と思っても、思えば思うほど全然声をかけられません。
悔しくて悔しくて、自分の考えを正しく人に伝えられる人間になりたいと心から思いました。
人間関係でも誤解されたりと、そういうことの連続です。
だから私はあえて最も苦手な世界である、セールスの道を選んだのです。

3日目には、私が1件も訪問できていないことが先輩にばれました。

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