宝石のセールス時代-前半 -【06】2015/01/02

23歳 宝石のセールス時代私は、とにかくお店を持つために営業をやっていました。
しかしそれでもまだ店を持つのが無理なのは、計算上分かっていました。
そこで思ったのは、扱う商材は「化粧品ではないな」ということです。
ただ、女性を狙うことは変えませんでした。
化粧品というのは、商品を見ただけはすぐに分からないわけです。
パンフレットだけで基礎化粧品を売っていましたから、お客さんのところに現物を持っていくものでないと駄目だなと思いました。
そして、金額が安いものから高いものまでうんと幅が広く、お金持ちもそうでない人も、両方とも狙える物がないか、
私はそういう観点から商品を考え始めました。

つまり反対側から考えたのです。
現物が持てて、金額が幅広く、持ち運びが便利なものは一つしかありませんでした。
宝石です。
よし、宝石のセールスマンをやろう、ダイヤモンドを売って歩こうと決めました。
新聞を見ては、そんな仕事の募集がないものか、ずっと探していました。
そうしたら、「宝飾のセールス」と書いてある募集がありました。

小さな会社でした。
そこに面接に行ったら、採用してくれました。
宝石という高価な商品ですから、やはり現物を持たせてくれないのです。
そのまま持って逃げたら困るからです。
それで、「パンフレットで練習してこい」と言われましたが、私の辞書には練習という言葉はありません。
パンフレットであろうが何であろうが、絶対売ってこなくてはいけませんでした。
宝石の前は化粧品のセールスマンをやっていましたから、一日の最初である朝をものすごく大事にしていました。
朝、喫茶店でじぃーっとしているんです。
じっとしているだけで、だんだん燃えてくるのです。
朝、必ず誓うんです。
「絶対、死んでも売上げゼロでは帰らないぞ」と誓うんです。
誓えば本当に売れるんですよ。
最初はパンフレットだけで営業していました。
でも朝、「絶対ゼロでは帰らないぞ」って決めているから、やはりゼロはないわけです。
今思えば、その頃から自分の心の在り方がいかに業績に関係あるかということが、やりながら分かっていたのでしょう。
明日は、宝石のセールス時代-後半へと続きます。

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