営業をやりながらのボクシング時代 -【08】

営業をやりながらのボクシング時代当時、私はボクシングをやっていました。
しかも営業をやりながらです。

その頃、一度こういうことがありました。
ボクシングをやめる理由のひとつにもなった話です。
相手はプロで6回戦ボーイ、私は練習生でした。
その相手が「ちょっと来い。スパーリングやろう」と言うのです。
向こうはプロですから、私にけがをさせてはまずいので、彼は「左手1本でいい。おまえは両手で殴ってこい」と言いました。
「俺はおまえのボディしか狙わないから、安心しろ」と。
そしてスパーリングが始まったのですが、私のパンチがガンガン当たるんです。
「当たるじゃないか」と思ってやっていたら、相手は苦しくなってきたようです。
約束を破って、両手でガンガン殴ってきたんです。
私は「この野郎、嘘つきやがって」と思い、思いっきり殴ったんです。
そうしたら、吹っ飛んで行っちゃったんです。
私は結構力があったのでしょう、6回戦ボーイのプロが倒れてしまいました。
私はすぐ抱き起こしたのですが、トレーナーに怒られたんです。
「ばか野郎!倒したやつを抱き起こすばかがいるか。
起き上がるの待っててまた殴るんだ」って。

「向いてないな」。

私はそう思ってしまいました。
自分の力を思いっきり出したかったのですが、
相手を殴って思いっきり出すよりも、相手に喜ばれて思いっきりやるような仕事をやりたいなと。

それは営業だと思ったのです。
営業なら思いっきりやってもいい。
自分の力を、全身出しててもいい。
それでボクシングをやめたのですが、
でも、ボクシングをやっていたことが
後々役に立ちました。

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