ここは東京駅の八重洲。東京であり、日本であり、そして地球であり、宇宙である。
どの次元から物事を捉えるかによって違ってきます。
宇宙から地球を見たら、全く違うものが見えるます。
宇宙飛行士が宇宙から地球を見た時に体験した話をします。
アポロ9号の乗組員だったラッセルシュワイカートさんです。
彼はみな宇宙で「私」という個体意識が一気に取り払われるのを体験しています。
彼が月面着陸船のテストを兼ねて、宇宙遊泳してる時のことだった。
彼の宇宙空間での仕事ぶりを宇宙船の中から撮影するはずだったカメラが突然故障し、動かなくなった。
撮影担当のマックデビット飛行士はシュワイカートにそのまま何もせず5分間待つように言い残して、宇宙船の中に消えた。
シュワイカートに突然、全く予期しなかった静寂が訪れた。
それまで秒刻みでこなしていた任務が一切なくなってしまったのだ。
地上からの交信も途絶えた。
そして、宇宙空間での完全なる静寂。彼はゆっくりと辺りを見渡した。
眼下には真っ青に輝く美しい地球が広がっている。
視界を遮るものは一切なく、無重力のため、上下左右の感覚もない。
自分はまるで、生まれたままの素っ裸で、たった1人でこの宇宙の闇の中に漂っている。そんな気がした。
突然、シュワイカートの胸の中に、何か言葉では言い表すことのできない、熱く激しい、奔流のようなものが一気に流れ込んできた。
考えたというのではなく、感じたというのでもなく、その熱い何かが一気に体の隅々まで満ち溢れたのだった。
彼はヘルメットのガラス球の中で、訳もなく大粒の涙を流した。
この瞬間、彼の心に眼下に広がる地球の全ての生命、そして地球そのものへの言い知れぬほどの深い連帯感が生まれた。
今ここにいるのは私であって私ではなく、全ての生きとし生けるものとしての我々なんだ。
それも今この瞬間に、眼下に広がる青い地球に生きる全ての生命、過去に生きてきた全ての生命、そしてこれから生まれてくるであろう全ての生命を含んだ我々なんだ。
こんな静かなんだ。熱い確信が彼の心に生まれていた。
シュワイカートが宇宙空間で体験したこの「私」という個体意識から、「我々」という地球意識への脱皮は、今この地球に住む全ての人々に求められていることなのです。
このシュワイカートさんが宇宙から地球を見た時に、地球に恋をしたという。
そして、ぼうだの涙を流した。
それを宇宙に行かなくても体験できる。それをここにいながら体感できる。
今まで人生の中で、体験したことないことが体験できる。
そして、今体験談を話したように、決して感動するのみならず、それから運命がガラッと変わってくのです。