北海道美唄 お祭りにて(5歳くらい)

北海道美唄 お祭りにて(5歳くらい)

 

私が生まれたのは、北海道の美唄(びばい)という炭鉱の町です。
父親はずいぶん長く戦争に行っていたので、大変貧乏な家に育ちました。
木造の相当古い家で、私は両親に「恥ずかしいから、こんなぼろ屋に友達を連れて来れない」と言ったんです。
それからの両親は、朝の3時、4時に起きて、一生懸命頑張って働いて、新しい家を建ててくれました。
大人になってそのことを父親に話したら、「実はおまえの『恥ずかしくて友達を連れて来れない』という、あの一言で奮起したんだ」と言っていました。
しかし、家を建てても相変わらず貧乏です。
小学生だった私の小遣いは、1日5円でした。
5円玉を1個、湯沸かし器の上に毎日置いてもらっていました。
5円だと、当時の貨幣価値では、あめ玉1個買ったらおしまいに近い状態でした。
私はその辺から拾ったものや、小遣いをためて買ったものでくじ引きを勝手に作り、200円ぐらい儲けたことがありました。

このページの先頭へ