捨てる哲学

 

※学長の講話より

 

学長:例えば、川で船を漕いでいるじゃないですか。頂上の方に、上の方に向かっていくのが正しいと思っている。川が本当は下に流れているのに。

もしかしたら、反対に漕いでいるかもしれない。

私はこんなに頑張っているのに、なかなか人は分かってくれないから。

もしかしたら、その漕いでいる櫂(かい)を、ポッと手を放した瞬間に、後ろの方に向かっていくかもしれない。

 

向こうに行くもんだと思い込んでいたけど、反対の方に流れていくかもしれない。いや、反対の方に流れていくわけ。

 

それが法則だから。法則の方に行くしかないわけです。だから「捨てる」というのは、その櫂(かい)を手放すということ。

 

櫂を手放した瞬間に、その流れの方に、下に向かっていくわけ。その流れの方に向きを替えればいいのです。向きを替えていったら、後ろの方に、放っておくと後ろの方にこうやって流れていくから、なんか逆流している感じがする。

 

その時にパッと、反対の向きを替えればいいのです。そしたら、そちらの方が前になるのです。今、私が皆さんとこうやって問答をしているでしょ。私は、別にこうしなさいって言ったわけじゃない。

 

場合によっては、「そういう発想してみたらどうですか」っていう言い方はするかもしれない。でも、ハッとした方は何人もいたのではないですか。

 

その瞬間に、何かを一生懸命掴んでいたものがパッと外れるわけです。「それでも良かったんだ」って。こうやって書いてみて分かったでしょう。

 

それでも、もしかしたら自分が「これを放してはいけない」と思い込んでいただけかもしれない。

 

それをパッと手放した瞬間に、そっちが前だった。手放した時に動く世界、そこに向きを替えればいいだけなのです。それだけで相当楽なのですよ。そういうことです。

そういうことを捨てる哲学でやっているのです。

だから今まで、「死から生をみる」というのも、「神からみる」といのもも全部同じなのですが、この捨てる哲学では、より具体的に、実践的に皆さんができるようにやっているのです。